Five Horse Johnson「Fat Black Pussy Cat」レビュー

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ストーナーロックとは?

 ストーナーロックについてはyamazaki666.comに詳しいので深い所はそちらに譲るとして、つまり大麻と切っても切れないロックの事である。

 大麻を摂取した時の酩酊状態で聴くと良いらしいのだが、yamazaki666.comの主催者である山崎氏の言う通り、優れたストーナー作品はシラフでも十分に楽しめる。

 このアルバムはそんな中の1枚である。

 視聴・購入はBandCampがお手頃だろう。

ワンコード進行、ほぼワンリフ

 何せこのアルバムは、ほぼ全曲がワンコード進行で、曲展開もほとんどないのだ。

 1曲目「Lightning When I Need」を聴いてみよう。

 オープニングはハーモニカからスタートする。このハーモニカが奏でるリフは誰かしらが受け継ぎ、曲の終わりまで延々と持続する。その後演奏隊やボーカルも入ってくるが、ダラダラと同じ事を続けるだけである。

 これだけ書くと実につまらない曲に思えるかも知れないが、何故か格好良い。「いつ終わるんだよこれ!」とツッコミを入れつつ聴いていると、ようやく終わりが見える。と思ったらまだ続く。つまらないと思うかも知れないが楽しいのだ。

 バンドが楽しみながら演奏をしているのが分かるようだ。

歌詞はどうでもいい

 私より英語ができるアイツが歌詞を読んでみたところ、

何となく格好良さそうな言葉を並べてみただけだろ?

 とのこと。

 曰く付き(後で述べる)の4曲目「She Don’t Know」について、アイツはもう少し深く読み込んでいる。コメントを求めたところ、

要するにShe Don’t Know言いたいだけやろ。

 と身も蓋も無い。

そのリフ、既出です

 ここで1曲目「Lightning When I Need」を聴いた後で4曲目「She Don’t Know」を聴いていただきたい。

 リフがほぼ同じである。

 こいつらは自分が録音した曲を聴き直しているのか?それとも状態420に移行しすぎて曲の区別がつかなくなってしまっているのか?

 ここで我々は、YouTubeで彼らのライブ映像(フルセットと思われる)を発見した。いくら何でも音源を発表した後で一瞬でも素面になっているのだとしたら、「Lightning When I Need」と「She Don’t Know」を同じセットリストには入れないだろうと予測して視聴してみた。

 入ってるじゃん。重要なので2回言う。同じライブで、ほとんど曲の区別がつかない(Slayerの3rdアルバムの曲は区別がつかない、という意見よりはるかに高い次元における音楽的レベルの話だ)この2曲を同じセットリストに組み込んでいる。

 状態420を絶やさなかったのか?状態420を維持し続けて、譜面的にほとんど同じ曲を同じライブでやってしまったのか?ものには限度があるぞ。

実はツインボーカル

 二人の声質があまりに似ているので一聴した限りでは分かりにくいが、このバンドは「ハーモニカ&ボーカル」と「ギター&ボーカル」と、ボーカルが二人いる。

 ライブ映像を確認した限りだと、曲によってメインボーカルが違う。しかし上に書いたように声質があまりに似ている上に基本的にハモりがない。そしてなぜか「ハーモニカを吹いて、急いでボーカルを取り……」と忙しい場面もある。「せっかくボーカルが二人いるんだから忙しくすんなよ」とツッコミを入れたくなる。

総評

 420している事を前提に書いたが、状態420の影響下にないと説明できない事が多く、逆に状態420の影響下にあると説明できる要素が多すぎるので、こいつらキメっぱなしと判断させていただく。

 譜面に起こしたら実につまらないと思われる曲と思われるが、このバンドが演奏するとつまらなくならないのである。何らかのセンスがあるのだろうか?

 聴いていると楽しいので、アイツは「聴く抗鬱剤」と言っている。

 アルバムの価格もBandCampからデジタルを買うと10ドルと安いので、皆さんも1枚いかが?

点数

 10点満点で「センスの塊のようなマリファナ馬鹿」

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